投稿者: 管理人
投稿日: 2007年06月20日(Wed) 09時23分19秒
甲野次郎 さんへ
お預かりしておりました
>1、過去問類題演習の不登法の36番目で >停止条件付所有権移転仮登記の移転は付記の本登記となるとあるのですが、問題 >おかしくはないですか。停止条件付所有権移転請求権仮登記の間違いではないですか。多分私の力不足だと思いますが、教えてください。
上記ご質問に付きまして、ニュートン社より回答が参りましたので、 掲載させていただきます。
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ご質問の事例においては、「甲区2番 B名義の停止条件付代物弁済契約を 原因とする条件付所有権移転仮登記」との登記記録が存在することを前提として、 CがBから当該甲区2番の仮登記上の権利を譲り受けた場合について、 なすべき登記の形式を問うています。
登記することができる不動産に関する権利が始期付き又は停止条件付きの 権利である場合に、当該権利の設定、移転、変更又は消滅については、 不動産登記法第105条第2号(の類推解釈)により、 請求権を保全しようとする仮登記と同様のいわゆる「2号仮登記」により、 本登記の順位を保全することができます。この仮登記の目的は、 「条件付所有権移転仮登記」と記録します。すなわち、この仮登記は、 2号仮登記であっても、請求権を保全するものではありませんので、 目的を「条件付所有権移転請求権仮登記」と記録するものではありません。
ところで、民法第129条は、「条件の成否が未定である間における当事者の 権利義務は、一般の規定に従い、処分し、相続し、若しくは保存し、 又はそのために担保を供することができる。」と規定しているので、実体上、 「2号仮登記」である「停止条件付代物弁済契約を原因とする条件付所有権 移転仮登記」上の権利の譲り受けも可能です。 実体上、条件付の権利の譲り受けが可能であるとして、それをどのように 登記に公示するかが問題となります。ご質問の事例においては、 「CがBから甲区2番の仮登記上の権利を譲り受け」たことにより、 仮登記上の権利の権利者がBからCに変更されますので、登記上は、 当該仮登記上の登記名義人をBからCに変更するための移転の登記を なすべきであると判断されます(ここで注意していただきたいのは、 権利の主体は「権利を譲り受け」により、確定的に(物権的に)変更(移転) されるのであり、それが仮登記により保全されている権利であっても、 (債権的に)請求権の発生にとどまるものではないということです。)。 この移転の登記の形式について、先例は、「(農地法第3条の許可を) 条件として仮登記された条件付所有権の移転登記は、 付記登記による(S41.3.4第388号)。」としています。すなわち、 仮登記された所有権移転請求権が移転した場合と同様に、付記登記による 本登記をもってするものと解されています(S36.12.27第1600号参照)。
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よろしくお願いいたします。 | |